「同じ練習量なのに、なぜあの人は伸びて、自分は伸び悩んでいるのか…?」
レクリエーションインディアカを続ける中で、誰もが一度は感じたことのある疑問ではないでしょうか。
実はそこには、技術的な才能や体力ではない“違い”が存在します。
この章では、成長する人と成長しない人を分ける「思考」「姿勢」「行動」の違いを深掘りしていきます。
1.「どうすればできるか?」を考える人 vs「無理かも」で止まる人

誰でも、練習や試合の中で「できない」「うまくいかない」壁にぶつかることがあります。
そのとき、あなたはどう考えるでしょうか?
成長を続ける人は、「どうやったらできるようになるだろう?」と問いを立てて動き出します。
一方で、成長が止まってしまう人は、「やっぱり自分には無理かも」と考えるところで止まってしまいます。
この違いは、才能や経験の差ではありません。
“思考の習慣”の差なのです。
成長する人の口ぐせ
- 「とりあえずやってみよう」
- 「何が原因か考えてみよう」
- 「一気にじゃなくて、小さく分けてやってみよう」
成長が止まる人の口ぐせ
- 「苦手だから仕方ない」
- 「うまい人にはかなわない」
- 「センスないから無理」
この違いは、ほんの小さな“内なる会話”の差かもしれません。
でも、その差が積み重なると、数ヶ月後、1年後、数年後に大きな差となって現れるのです。
たとえば、サーブレシーブでミスをしたとき。
「ステップが一歩遅れたかな?」「構えが高すぎたかも」「視線が相手の手元から外れてたかな?」と
細かく原因を分析してみる人は、次のプレーが改善されます。
逆に、「ああもうダメだ、自分はサーブレシーブの苦手だから…」と、
気持ちで片づけてしまう人は、同じ失敗を何度も繰り返します。
行動に“問い”を添えるだけで、成長スピードは変わるのです。
問いがある人は、自分の動きを“観察”し、改善点を見つけ、次に生かそうとします。
問いのない人は、結果だけで自分を評価し、うまくいかないことを「才能のせい」「性格のせい」にしてしまいます。
メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手も、こう言っています。

「自分には無理だろう」「こういうのは苦手だ」と決めつけた瞬間、
可能性への扉を自分で閉じてしまっているのです。
逆に、「どうすればできるか?」という問いを持ち続けることで、
人は何度でも新しい成長のステージに立てるのです。
いま、目の前に“できないこと”があったなら、
それはあなたの才能がない証ではありません。
「問いのチャンス」が来た、というだけです。
自分に問いを投げてみてください。
その一歩が、あなたをぐんと伸ばしてくれるはずです。
2.「言われたことを受け入れる」人 vs「自分を守る」人
スポーツでも、勉強でも、仕事でも。
誰かから“指摘される”瞬間は、必ずやってきます。
このときの「受け取る姿勢」によって、その人がどれだけ成長できるかが決まる――といっても過言ではありません。
成長する人の反応:「受け止めて、活かす」
上達していく人は、指摘を受けたときにこう考えます。
- 「なるほど、そこが自分の弱点か」
- 「そこに気づけてよかった」
- 「直せばもっとよくなるかもしれない」
このように、指摘を“自分をよくする材料”として前向きに取り入れられる人は、どんどん伸びていきます。
例えそれが耳の痛い内容でも、「今より一歩でも上へ行くチャンス」としてとらえています。
成長が止まる人の反応:「自分を守ることが最優先」
一方で、なかなか成長できない人は、こんな反応をしがちです。
- 「それってちょっと違うと思います」
- 「でも、あの人も同じことやってますよね?」
- 「自分はできないと思います。」
これらの反応は、自分を否定されたと感じて、防衛本能が働いてしまっている状態です。
指摘されたとき、心の中では何が起きているのか?
実はこの違いは、「プライドが高い/低い」という単純な問題ではありません。
人間は誰しも、自分の価値を傷つけられると感じると“無意識に防御反応をとる”生き物なのです。
しかし、その防御をいったん脇に置いて、
「これ、自分の未来のために言ってくれてるのかも」と捉え直せる人が、次のステージに進んでいける人です。
ワンポイントアドバイス
指摘を受けたときは、まず「ありがとうございます」と言ってみる。
一度言葉にすることで、気持ちの受け止め準備ができます。
次に、「どの部分が問題だったか」を自分の言葉で確認することで、“自分事”として落とし込むことができます。
指摘は「悪口」ではない
それは、あなたの未来をよりよくするための“フィードバック”です。
もちろん、言い方がきつかったり、自分の気持ちと向き合うのがつらいときもあるでしょう。
でも、その指摘の中に、あなたを伸ばすヒントが隠されているかもしれないのです。
もしあなたが今、誰かからのフィードバックに傷ついたり、悔しい気持ちになっているなら――
それは、「もっとよくなりたい」と思っている証拠でもあります。
だからこそ、「それを乗り越える力」を少しずつ身につけていきましょう。
それができるようになると、指摘されることが怖くなくなり、むしろ「ありがたい」と思える日が来るかもしれません。
3. 小さな変化を積み重ねる人 vs 大きな変化を求めすぎる人
人は、何かに取り組んだとき「できるようになりたい!」という気持ちを持つのが当然です。
ですが、その成長をどう捉えるかによって、結果もモチベーションも大きく変わってきます。
成長する人の思考:「昨日より1歩でも前へ」
上達していく人は、どんなに小さなことでも「変化」に目を向けます。
- 「昨日よりレシーブで1本多く返せた」
- 「今日は構えのタイミングが早かった」
- 「仲間への声かけが自然にできた」
こうした“昨日の自分と比べて、ほんの少し前進しているか”に注目する人は、成長を実感できます。
そして、その実感がまた次の一歩へのエネルギーになります。
成長が止まる人の思考:「劇的な変化がないと意味がない」
逆に、なかなか伸びない人ほど「短期間で劇的にうまくなりたい」という期待が大きすぎる傾向があります。
- 「まだサーブが入らない…才能ないのかも」
- 「全然レシーブが安定しない…やる意味ある?」
- 「3日やったのに変わらない…自分には無理だ」
こうして、“変わらないこと”に目を向けすぎると、自分の成長が見えなくなってしまうのです。
レクインディアカも階段のように上達していく

サーブも、レシーブも、フォローの動きも、1日で急にうまくなるものではありません。
むしろ、最初の数週間は「本当に変わってるの?」と不安になるくらいです。
でも、毎日の練習で「構えが安定した」「声が自然に出た」「ミスの回数が減った」など、
小さな変化に気づける人ほど、結果として確実に成長していきます。
上達の本質は「ジャンプ」ではなく「階段」
ポイント
上達は“階段”。ジャンプではなく、一段ずつ登るもの。
1段ずつ登る人は、途中で足元を確認しながら上がれるので、崩れません。
でも、「1段飛ばし」で無理にジャンプしようとする人は、バランスを崩して転んでしまうこともあるのです。

「変化に気づける力」こそ、継続の源
小さな進歩に気づける人は、練習がどんどん楽しくなります。
「昨日よりできた!」という感覚が、自信を育てていきます。
そして、自信はモチベーションにつながり、モチベーションは継続へ。
“続けられる人”が、最終的に一番強くなります。
だから、今日はたった1本しか返せなかったとしても、それは立派な前進です。
明日は2本、明後日は3本。来週は、、、
そうやって階段を1段ずつ登っていけば、気づいた時には“別の景色”が見えているはずです。
4.「うまくなる理由」を自分の中に持っているか?
練習量や時間が同じなのに、なぜか上達のスピードに差が出る――
その理由のひとつが、「うまくなりたい」という気持ちの“方向性”にあります。
最後にご紹介するこの視点は、シンプルながら最も本質的で、成長を左右する大きな要素です。
成長する人:「自分がこうなりたい」「このプレーがしたい」
上達する人は、どんな練習にも“自分なりの意味”を見つけています。
- 「あの人みたいに、ストレートサーブを決めたい」
- 「試合でミスして悔しかった。次は絶対に勝ちたい」
- 「味方に安心して任せてもらえるレシーバーになりたい」
こうした目標やビジョンを明確に持っている人は、自然と練習に集中できます。
「どうやったらそこに近づけるか?」を常に考えているので、「行動」の一つひとつが目的につながっているのです。
成長しない人:「なんとなく」「みんながやってるから」
逆に、なかなか伸び悩む人の多くは、「なぜ今それを練習しているのか?」を意識していません。
- 「誘われたから来てるだけ」
- 「意味はよくわからないけど、とりあえずやってる」
- 「まあ、時間があればやってみるか」
こうした「他人発の動機」は、集中力が途切れやすく、少しのつまずきで気持ちが折れやすくなってしまうのです。
「目的の明確さ」は練習の“質”を変える
たとえば、10分間のレシーブ練習をするとき――
- 目的がある人は、「さっきのステップを1歩早くする」「構えをもう少し低くしてみよう」と工夫しながら取り組みます。
- 目的がない人は、「あー失敗した、お!今回は成功した」ような思考になります。
同じ10分でも、質(中身の濃さ)はまったく違うのです。
目的があると、練習の“質”が上がる
これはどんなスポーツにも共通しますが、レクインディアカのように「短い時間で勝敗が決まる」「ワンプレーが大事」な競技では特に顕著です。
目的を持って練習すると:
- 集中力が高まり
- 上達までのスピードが速くなり
- 継続する力が生まれる
結果として、「うまくなる」ことが加速していきます。
自分だけの「理由」が、力になる
誰かに言われたわけでも、誰かと比べたわけでもなく――
「自分がこうなりたい」と思える目標を持っている人は、挫折しにくく、継続力が圧倒的に強くなります。
- 「あの1本を拾えるようになりたい」
- 「声を出して、チームに安心感を与えたい」
- 「次の大会では、自信を持って挑みたい」
あなたの中にも、そんな気持ちはきっとあるはずです。
それを少しずつ言葉にして、“自分のための理由”として意識してみてください。
目標は、必ずしも大きくなくていいのです。
「昨日より1本多く返したい」
「セッターが打ちやすいレシーブを出したい」
そんな小さな理由でも、積み重なれば大きな力になります。
あなたは、なぜレクインディアカを続けていますか?
その答えの中に、きっとあなたを強くするヒントがあるはずです。
おわりに|違いは“心がけ”と“意識の積み重ね”
「うまくなれるかどうか」は、生まれつきのセンスでも、強靭な筋力でもありません。
本当に差がつくのは、日々の“心がけ”と“意識の積み重ね”です。
- ミスしたとき、どう考えるか?
- 指摘をされたとき、どう受け止めるか?
- 小さな変化に、どれだけ気づけるか?
これらの一つひとつは、とても小さな“思考の選択”に見えるかもしれません。
でも、その積み重ねが1ヶ月、3ヶ月、1年…と続いたとき、確実に結果に差が現れます。
たとえば、レシーブ練習でうまくいかない日があったとして。
「今日ダメだった…やっぱり自分には無理かも」と思うか、
「なぜできなかったんだろう? どこを変えれば良かったんだろう?」と問いを立てるか。
この小さな分岐点が、あなたの未来のプレーに影響します。
「問い」を持つことが、変化の始まり
成長する人に共通しているのは、“問い”を持っていることです。
- 「もっと早く動くにはどうしたらいい?」
- 「なぜあの人の構えは安定して見えるんだろう?」
- 「今日は自分のプレーにどんな変化があったかな?」
このような問いを持ってプレーすると、見るもの、感じること、吸収する情報すべてが変わってきます。
「変わる人」は、気づきから変わっている
いきなり上手になる人なんて、どこにもいません。
でも、「気づける人」は、確実に変われる人です。
そしてその“気づく力”は、あなた自身の中にあります。
今日から、ほんの少しだけでいいので、問いを持って練習に向き合ってみてください。
「なぜ?」「どうすれば?」を自分に投げかける習慣が、あなたの思考を磨き、動きを変え、成長を後押ししてくれます。
あなたが目指す「もう一歩上の自分」は、きっとそのすぐ先に待っています。
その一歩を、今日から踏み出してみましょう。