目次
はじめに:肘曲げ打ちはすべての土台
レクインディアカのプレーにおいて、「肘曲げ打ち」はあらゆるシーンで使える最も安定した打法です。
- 高精度のレシーブ
- 味方を活かすトス
- 的確なアタック
これらを成立させるには、手先の感覚だけでなく体全体の連動とコントロールが求められます。
この記事では、肘曲げ打ちを習得したい方のために:
- 技術の基本と理論
- フォームのチェックポイント
- よくある失敗例と対処法
- ステップアップ練習法
- 試合での戦術活用
を詳しく解説していきます。
※「手打ち」を差別化するため、レクインジャーLABOでは「肘曲げ打ち」と命名しています。これは、肘を支点とする打ち方で、公式に定められた名称は存在しません。
1. 肘曲げ打ちってどんな打法?

🔸定義と動作の特徴
肘曲げ打ちは、肘を軸にしてスナップの効いた打ち方です。
- 肘が支点となり、肘より先の腕が弧の軌道を描いて打つ
- 肩はあまり動かさず、肘を頭付近まで上げる
- 腕を「振る」「しならせる」イメージ
- インパクトは頭の上(顔の前ではない)で捉える
🔸他のスポーツで例えると…
- 剣道の面打ち(肘から先を使う)
- やり投げの投擲
- バドミントンのプッシュ系ショット
精密な操作性と、必要なときにパワーも出せる万能型打法です。
2. なぜ上級者の間では「肘曲げ打ち」が主流なのか?
あらゆるプレーで使える
用途 | 肘曲げ打ちの強み |
---|---|
レシーブ | 肩や肘の向きを変えれば、かなり広範囲まで安定して返せる |
トス | 味方が打ちやすい高さ・コースに調整可能 |
アタック | 広範囲の狙ったコースへ速く正確に打てる |
カバーリング | とっさの切り返しも対応できる |
プレーの中核を担うからこそ、肘曲げ打ちの習得はすべての選手に必要とされます。
3. 肘曲げ打ちのフォーム解説
🔸基本姿勢
- 両足は肩幅程度
- 打つ手と反対の足(逆足)を前に(気持ち半身になる程度前後に開く)
- 肘は鼻や目の高さまで上げる
- 手のひらは後頭部付近まで後ろに下げる
🔸スイングの流れ
- 構え(タメ):肘を曲げて肩より高く上げる。手のひらを後ろに引く←ここが重要
- 振り出し:肘を(動かさず)支点にして、肘の真上で羽球が当たるように「振る」。
- フォロースルー:手のひらは飛ばしたい方向へあらかじめ固定。羽球が当たった0.5秒間は静止するイメージ
🔸打点のポイント
- 羽球は肩の上か肘の上で捉える
- インパクトは当たった瞬間のみ
- 方向や高さの調節は、手のひらの角度とインパクトの強さのみで行う
- スイングの振り幅やパワーで調節するのはNG
4. 肘曲げ打ちの利点と課題
✅ 利点
- 広範囲への打ち分けが可能
- 高さ・コースのコントロールがしやすい
- 味方への連携がしやすくなり試合がコントロールできるようになる
- 長時間のプレーでも安定する
⚠️ 課題
- 肘を正しく使えていない or 手のひらの角度が調整できないと飛距離が出ない(要練習)
- 打点がブレるとコントロールが不安定(要練習)
- 初心者は力の入れ方が難しい
- なれるまでは力みやすく肩や首が疲れやすい(力みすぎ)
- 肩もしくは肘の真上で羽球を捉える必要があるため、落下地点の予測や移動能力が必要
5. 自分が肘曲げ打ちかチェック!
以下の項目に3つ以上当てはまれば、肘曲げ打ち傾向あり!
チェック項目 | Yes / No |
---|---|
羽球を頭の上で打っている | Yes / No(体より前で打っている) |
逆足を前に出して打つことが多い | Yes / No(例:右手、右足が前に出ている) |
打球が前に飛びやすい | Yes / No(どちらかと言うと上に飛びやすい) |
同じフォームでトスも打てる | Yes / No(1・2・3打目のフォームがバラバラ) |
腕を“上下”に振るより“前後”に振る意識がある | Yes / No(腕を上下に振っている) |
6. よくあるミスと修正ポイント
❌ 肘を動かさずに手首で打っている
❌ 打点が下がってしまう(胸の高さなど)
❌ 打球に力が伝わらない
7. ステップアップ練習法
🔸練習①:肘起点のフォーム作り
- 羽球を持たずに、鏡の前で肘を支点に振る動作を確認
- 体に力を入れず、肘の高さを固定
- 力を入れずに「振る」「肘をまっすぐに伸ばす」意識を体得
🔸練習②:ボール打ち練習
- パートナーに向けて適度なサイズのぼーるを持ってもらう(ドッジボールやバレーボール等、手のひらより大きいサイズが良い)
- 頭より少し上の位置で持ってもらい、肘を軸にしてボールを触る
- ボールに触れる瞬間のみ手のひらを張ってインパクトの感覚を身につける
🔸練習③:手投げうち(パス練習)
- パートナーに手で頭上まで投げてもらい、打つ
- 肘が下がらないように注意しながら繰り返し当て感を掴む
- 落下位置への移動と構え、スイングのタイミングが掴めて来たら実践に近い形式へ練習を移行する
8. 試合での活用法と戦術
✅ コントロールを重視した戦いに最適
- 相手が崩れたところに正確に打ち込める
- ミスを抑え、味方を活かすトスを連発できる
- 相手が手打ちに偏っている場合、強打とフェイントでテンポを自分で作れる
✅ 他打法との使い分けで戦術的優位を
- ネット際→とっさの手打ち
- セットアップされたボール→肘曲げ打ち
- 完璧なトス→肩回し打ち・垂直打ち(決定力狙い)
まとめ:肘曲げ打ちは“基礎”にして“武器”になる
肘曲げ打ちは、レクインディアカの中で最も技術と安定性を両立させる打法です。
正確なフォームと目的意識を持てば、試合でも練習でも一目置かれる選手になれるはずです。