「サーブの種類は分かった。どのコースを狙えばいいかも分かった。でも、どうやって練習すればいいのかが分からない。」
サーブ完全攻略シリーズの第1弾でストレートサーブ・山なりサーブ・シフトサーブの特徴を、第2弾でコースと状況に応じた使い分けを学んだあなたが、次に直面するのがこの壁ではないでしょうか。
知識として頭に入れることと、試合で使えるレベルまで染み込ませることは、まったく別の話です。どんな技術も、繰り返し体に覚えさせる作業が必要です。
この記事では、サーブ専門の練習ドリルを7本、人数別・目的別に紹介します。「今日は1人しかいない」「パートナーが1人いる」「チーム練習がある」という場面ごとに、すぐ始められる手順で解説します。
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レク・インディアカが初めての方は、まず以下の記事を読んでおくと安心です😊



1人でできる練習(3つ)
1人の時間こそ、サーブを鍛えるゴールデンタイムです。相手やペアを気にせず、自分のペースで反復できるのは1人練習の大きなアドバンテージです。コート端のサービスエリア(エンドライン外、右から3mの範囲)に立ち、ひたすら打ち込むだけでも相当な練習になりますが、目的を持って取り組むとさらに効果が増します。
ドリル1:的当て練習(目的:コース精度)
用意するもの: コーン、タオル、水ボトルなど目印になるもの3〜4個
手順: コート内の3カ所に目印を置きます。代表的な配置は「左奥のコーナー」「右奥のコーナー」「センター付近」の3点です。最初はどれか1点だけを狙い、10本連続で打ちます。10本打ったら別の目印に移動し、また10本。全点を1周したら1セット終了です。
慣れてきたら「今から○番の的を狙う」と口に出してから打つようにしましょう。宣言してから打つ習慣をつけると、試合でも「ここに打つ」と意図を持ちやすくなります。
成功の目安: 10本中7本以上、狙ったエリアの半径1m以内に収まれば上出来です。最初は5本でも3本でも構いません。自分の現在地を知ることが大事です。
やってみて気づくこと: 「同じコースを10本連続で狙う」というシンプルな作業でも、最初はかなり散らばります。それがリアルなコントロール精度の現状です。焦らず、散らばりの傾向(毎回左にずれる、奥に伸びすぎるなど)を観察しながら続けましょう。
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ドリル2:球種ローテーション練習(目的:球種の打ち分けコントロール)
用意するもの: 羽球だけでOK
手順: 「ストレートサーブ → 山なりサーブ → シフトサーブ → ストレートサーブ…」の順番で、1球ずつ球種を切り替えながら打ちます。1サイクル(3球)を1セットとし、10セット繰り返します。
ポイントは「次はどの球種を打つか」を打つ前に決めることです。連続して打つので流れが生まれやすく、無意識に同じ打ち方をしてしまうのを防ぐために、意識的に頭の中で切り替えてから構え直す習慣が大切です。
バリエーションとして、ローテーションの順番をランダムに変えてみる方法もあります。「次はシフト、その次はストレート」のように自分で指定しながら打つと、より実戦に近い判断力が身につきます。
成功の目安: 3球のうち、意図した球種の特徴(弾道・速度・横移動)が出ていれば成功と考えてください。完璧なフォームより「意図した通りの球が出たか」を優先して評価しましょう。
やってみて気づくこと: 「打ち分けられているつもり」の人が、実際にやってみると山なりとストレートがほとんど変わらない弾道になっていることがあります。自分の球種ごとの再現性を確認する良い機会です。
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ドリル3:高さ制限サーブ練習(目的:高さのコントロール)
用意するもの: バドミントンの支柱や三脚など2本の柱、竿または紐(長さ3〜4m程度)
手順: ネット(中央高さ2.24m)の直上から、さらに1〜2m高い位置に仮想ラインを設定します。具体的には、ネット支柱の延長線上あたりに竿や紐を張り、そのラインより「上を通さずに」サーブを打ちます。
ラインの高さを低く設定するほど難易度が上がります。最初はネットから2m上(約4.24m)を目安にし、感覚がつかめてきたらネットから1m上(約3.24m)に下げていきましょう。
成功の目安: 設定した高さを超えずにコートに収まれば成功です。ネットを越えない・コートアウトしないの両方を同時に満たすことが目標です。
やってみて気づくこと: インディアカのサーブは山なりにしすぎると相手に余裕を与え、低すぎるとネットにかかるという難しさがあります。このドリルで「使える高さの帯域」を体で覚えていくことができます。普段なんとなく打っているサーブの弾道が、高さ制限をつけると途端に難しくなる人も多いです。
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2人でできる練習(3つ)
パートナーが1人いれば、実戦に近い感覚で練習できます。2人練習の価値は「相手の反応」が加わることです。打った球がどこに飛んでいったかを客観的に確認してもらえるのも大きなメリットです。
ドリル4:コース指示サーブ(目的:状況判断サーブ)
役割分担: 1人がサーバー、1人がレシーバー兼コール係
手順: レシーバーが「右奥」「左前」「センター短め」などのコースをサーブ前に口頭でコールします。コールを聞いたサーバーは、指定されたコースに向けてサーブを打ちます。レシーバーはそのサーブを受けてパスを1本返したら終了。サーバーが連続10本打ったら交代します。
コールのパターンは、最初はシンプルに「右」「左」「真ん中」の3択から始め、慣れてきたら「右奥」「左手前」「2人の真ん中」など具体的な指示に切り替えましょう。
成功の目安: 指示されたエリアにサーブが飛んでいれば成功です。レシーバーが動かずに体の正面で取れてしまうサーブは「ゾーンには入っているが甘い」と評価してください。
やってみて気づくこと: 「指示を受けてから打つ」という制約をつけると、途端にプレッシャーがかかります。試合でも「あそこに打つ」という意図を持ちながら構えることが多くなりますが、そのシミュレーションとして非常に有効です。コールが来てから判断するスピードも鍛えられます。
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ドリル5:サーブ&レシーブ連携(目的:実戦感覚の習得)
役割分担: 1人がサーバー、1人がレシーバー
手順: サーバーがサービスエリアからサーブを打ちます。レシーバーはそのサーブを受け、パスを1本だけ返します(アタックはなし)。1本返したらどちらかが「ハイ」と声を出して終了の合図。すぐにサーバーが次のサーブに移ります。
1人が10〜15本連続でサーブを打ったら交代します。この練習の目的は「サーブを打つ→相手の動きを見る→次のサーブに活かす」というサイクルを体に覚えさせることです。単純に打つだけでなく、レシーバーがどう動いたか、どこにパスを返したかをサーバーが観察することが重要です。
成功の目安: レシーバーが崩れた体勢でパスを返した場合を「良いサーブ」、余裕を持って正面で取れた場合を「改善の余地あり」と評価します。数値化するなら、10本中「崩せた」と感じるサーブが3本以上あれば上々です。
やってみて気づくこと: サーブを「打って終わり」ではなく「打ってから相手を見る」習慣がつきます。レシーバーの足がどちらに動いたか、体がどの方向に向いたかを意識して見続けると、次のサーブのコース選択の精度が上がります。
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ドリル6:ランダムコースドリル(目的:相手を見てサーブを選ぶ)
役割分担: 1人がサーバー、1人がレシーバー兼移動役
手順: レシーバーがコート内でランダムに前後左右に移動します。サーバーは、レシーバーの位置を見ながら「今レシーバーが取りにくい場所」を判断してサーブを打ちます。たとえばレシーバーが前に出てきたら奥を狙い、右に動いたら左を狙うイメージです。
レシーバーはサーブが来る直前まで動き続けます(立ち止まってはいけない)。サーブを受けたらパスを1本返して終了、またすぐ次のサーブへ移ります。
10本打ったら役割を交代します。
成功の目安: レシーバーがサーブを追いかけるために2歩以上動かなければならなかった場合を成功と考えてください。レシーバーから「取りにくかった」「動かされた」という感想が出れば、実際に機能しています。
やってみて気づくこと: 動いている相手を見ながらサーブを打つことは、最初は難しく感じます。的が固定されている的当て練習とは違い、動的な判断が必要になります。しかし、試合のサーブはまさにこの状況に近いため、このドリルが最も実戦直結の練習です。
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チーム練習向け(1つ)
チーム全員でできる練習の中から、サーブ専門の練習として最も実戦感覚が高いものを紹介します。
ドリル7:4対1サーブ集中練習(目的:実戦に近い本数を積む)
参加人数: 5人(サーバー1人+受け側4人)
コートの使い方: サーバーはサービスエリアに立ちます。受け側4人は通常のポジション(1番〜4番の位置)に配置し、実戦と同じように立ちます。
手順:
- サーバーが連続でサーブを打ちます。受け側は毎回実戦通りに受けます。パスを1本返したらその場でリセット、すぐ次のサーブが来ます。
- サーバーは1人で8〜10本を連続して打ちます(休憩なし)。
- サーバーが終わったら、受け側の4人のうち次のサーバーが移動します。全員がサーバーを1回ずつ担当したら1セット終了です。
ポイントは「受け側4人に実際に動いてもらうこと」です。受け側がサーブを受けるだけでなく、「誰が取るか」「隙間があったか」を声で確認するとさらに効果が高まります。
成功の目安: サーバー視点では、8〜10本中6本以上をコート内に収めることが最低ラインです。さらに「崩せたサーブ」「サービスエース(直接点)」の数を数えると、サーブの攻撃力を数値で確認できます。受け側4人は、サーブの成功・失敗だけでなく「どこに飛んできたか」のフィードバックをサーバーに返すと練習の質が上がります。
やってみて気づくこと: 1人でひたすら連続サーブを打つことは、体力的にも集中力的にも試合のサーブ状況に近い疲労感をもたらします。疲れてきた6〜7本目のサーブがどうなるかを確認することで、試合後半の自分のサーブ精度を事前に把握できます。試合では緊張やプレッシャーも加わるため、練習で「疲れても入れる」感覚を作ることが重要です。
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練習を積み重ねるための3つのコツ
7つのドリルを紹介しましたが、どれも「一度やって終わり」では効果が出ません。継続して積み重ねるためのコツを3つ補足します。
コツ1:目的を1つに絞る 毎回の練習で「今日はコース精度を上げる日」「今日は球種の打ち分けを確認する日」のように、取り組む目的を1つに絞りましょう。複数の目的を同時に追うと、何が改善されたのか分からなくなります。
コツ2:本数より質を意識する 「100本打った」よりも「10本、全部意図を持って打った」の方が確実に上手くなります。惰性で打つサーブは練習時間の無駄になりやすいです。特に1人練習では、ダレてきたら一度立ち止まって呼吸を整えてから再開するのが効果的です。
コツ3:試合でサーブを試す 練習で身につけた球種やコース感覚は、試合で使ってみないと実践力になりません。「今日のゲームでは、ドリル4で練習したコース指示を試してみる」のように、練習と試合をつなぐ意識を持ちましょう。試合でうまくいかなかった点が見つかったら、それが次の練習テーマになります。
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まとめ|次の練習で試すこと
サーブは「打ち方を覚える」だけでは武器になりません。繰り返しの練習で精度と再現性を高め、試合の中でも意図を持って使えるようになって初めて武器と呼べます。
今回紹介した7つのドリルを全部一度にやる必要はありません。まずは「1人でできる練習」の中から1つだけ選んで、次の練習で10分間試してみてください。
目的を持った10分の練習が、あなたのサーブを確実に変えていきます。

