最近セッター(2番)になったけど、どんなトスを上げればいいかわからない…
そんな悩み、ありませんか?
この記事では「良いトスとは何か?」を深掘りしながら、あなたのトスが試合で活きるようになる考え方と具体的なヒントを紹介します。
◆ 良いトスの条件とは?
まず「トス」とは、攻撃のために羽球を味方に送るパスのこと。 つまり、良いトス=攻撃しやすいトスです。
「ナイストス!」と褒められるトスにはいろんなバリエーションがあります。
- 高く上がったトス
- 低くて速いトス
- ネットの近くに落ちてくるトス
- ネットから少し離れている位置へのトス
- ポール近くで高く浮かぶトス
- 状況に応じてスピードを変えるトス
ただし、試合中は時間に余裕がなく、 「とりあえずネット近くでいいかな…」「高めにあげればなんとかなる?」 と無意識に考えてしまうことも多いでしょう。
これは「場所にあげるトス」の発想です。

プレー中このようなシーンを見たことはありませんか?
セッターが「場所にあげるトス」のみでプレーをしていると、図のような連携がミスが起きてしまうことがあると思います。
では、
- 連携ミスが起きる原因とは、どのような時でしょうか?
-
多くの場合は、一打目のレシーブが乱れてしまった時におこります。
一打目のレシーブが乱れた時、セッターが「場所にあげるトス」を行うとします。
無理やり狙った場所へトスをあげようとして、距離が足りなかったり、高さが足りなかったりして「安定しないトス」をあげてしまうことになります。
「安定しないトス」は、3打目者にとって非常に打ちにくいトスです。
なぜならば、2打目者のコンディションや調子によって上がってくるトスが毎回変わってくるため、
打つ準備を事前にすることができません。そのため、上がってきたトスに合わせて、打つしかありません。
次に打つ人が、実際に“打ちやすい”と感じているか?
ここがトスの本質であり、あなたのトスの質を一気に高めるポイントなのです。
◆ 「人にあげるトス」とは何か?
「人にあげるトス」とは、次に打つプレイヤーが最も打ちやすいと感じる位置・高さ・タイミングであげるトスのこと。
これに対して、位置や高さを基準に「ネットの近く」や「ポールの横」など“場所”を狙ってあげるトスを「場所にあげるトス」と呼びます。
この2つの違いを簡単に整理すると:
・人にあげるトス:プレイヤーの打ちやすさを優先。状況に応じて臨機応変に対応。
・場所にあげるトス:決まったスポットを狙う。タイミングや精度が必要。
レクインジャーがオススメするのは:
まずは「人にあげるトス」を極め、チームとしての安定を作る。 その上で、チャンスには「場所にあげるトス」で決定力を高める。

イメージ図の様に事前に打ち合わせをしていれば、レシーブが乱れた際も安定して攻撃できるようになります。
一打目が乱れたときは、、、
- ネットから離したトス
- 高いトスではなく、少し低めのトス
このように、予め3打目者が打ちやすいトスを知っておくと、2打目者も無理して「場所」に上げることがなくなり、
2打目の失敗(2打目者の反則)も減るため、安定した攻撃を繰り返すことができます。
◆ 「人トス」と「場所トス」使い分けの重要性
人にあげるトスのメリット:
- 打ち手の特徴に合わせて調整できる
- レシーブが乱れてもフォローしやすい
- チーム内での連携がスムーズになる
- 打ちやすい=攻撃の成功率が上がる
場所にあげるトスのメリット:
- 決めにいける位置へ正確にトスできる
- プレイヤーの能力に頼らずシステムで攻められる
- スピード感ある攻撃につながる
たとえば:
- レシーブが乱れた場面で「場所にあげるトス」をすると、フォームが崩れたり、力の入らない打球になったりすることがあります。
- そんなときこそ「人トス」に切り替え、打つ人が一番打ちやすい場所へふわっとあげてあげると、ミスを最小限に抑えることができます。
このような気配りのあるトスができるセッターは、チームからも信頼されます!

「人にあげるトス」で安定した攻撃を繰り返すことで、余裕が生まれて来ます。
その余裕により、落ち着いたプレーができ、チャンスボールを多く発生させることができます。
このチャンスボールが来たときに、最高の「場所にあげるトス」を上げることができれば、
一気に得点の可能性が上がります!
「人にあげるトス」「場所にあげるトス」使う順番を変えるだけでプレーのしやすさが格段に上がります。
メインは、「人にあげるトス」を使って安定的に攻撃をしていき、
良いトスができそうなチャンスで「場所にあげるトス」を使って得点を狙っていく。
この2種類のトスをうまく使い分けることが、「最高に良いセッター」になると思っています。
◆ トスを使い分けるための練習法と意識
- 練習では、味方プレイヤーの「打ちやすいトスのタイプ」を聞いておこう
- できるだけ複数の選手の好みに対応できるよう、トスのバリエーションを増やそう
- ミスを恐れずに「人トス」で安定感を養い、チャンス時に「場所トス」で攻める!

©古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
アニメ『ハイキュー!!』にも、セッターとスパイカーの“信頼”の重要性が描かれています。 試合で活躍するセッターになるには、信頼関係がカギとなります。
◆ まとめ:良いセッターとは「寄り添い導くセッター」
良いトスとは=打つ人が“打ちやすい”と感じるトス
トスの2タイプ
- 人にあげるトス:プレイヤーの感覚やリズムを優先。安定重視。
- 場所にあげるトス:状況を見て勝負するための精度重視トス。
セッターとして成長するステップ
- まず「人トス」で味方の信頼と安定をつくる
- 「場所トス」で攻撃の幅と得点力を広げる
セッターの視点は、単なる“トスをあげる人”ではありません。 仲間のプレーを最大限に引き出す「影の司令塔」です。
あなたのトスが変われば、チームの攻撃力は大きく変わります。
今日から「寄り添えるトス」を意識してみましょう! その先に、あなた自身が目指す“最高のセッター像”が見えてくるはずです。
